当院には「耳が詰まるんです」といって来院される方が多くいらっしゃいます。
これは当院が「耳の疾患」を詳しくホームページに掲載していることが関係していると思います。
特に「急性低音障害型感音難聴」に関しては詳しく説明しているので、それを見て来院される方は多いようです。
そのなかで「耳閉感」、要するに「耳が詰まるんです」といって来院される方の割合が最近とても多くなっています。
耳閉感はほとんどの方が経験したことがあると思います。
人によって感覚は違うと思いますが、「耳に水が入っている感じ」「耳に蓋をされている感じ」等の表現をされる方がほとんどです。
この耳閉感に関して、原因は様々あるのですが、なかでも「ストレス」との関係がとても深いことがわかっています。
ではストレスがどのように耳閉感という症状を引き起こしているのか詳しく説明していきます。
ストレスが関係する耳閉感にはいくつかの疾患があります。
低音部の聴力が低下してしまう疾患です。
内耳の蝸牛にあるリンパ液が増えて溜まりすぎてしまい、神経の伝達が上手くいかなくなってこの症状が発症します。
過度のストレスで自律神経が乱れることが原因とされています。
作用機序としては急性低音障害型感音難聴と同じで、蝸牛にリンパ液が溜まりすぎてしまうのが原因です。
人によっては「耳鳴り」を自覚する場合もあります。
原因は様々あるとされますが、ストレスとの関係も深いと言われています。
「耳管」という耳から鼻に通っている管が開きっぱなしになっている状態です。
この疾患もストレスとの関係が深いと言われています。
顎の関節、筋肉に問題が生じる疾患です。
顎関節に問題があると、隣接する耳にも影響を及ぼします。
ストレスで歯ぎしり、食いしばりが悪化すると顎関節症を引き起こします。
首肩のこりが悪化すると、血流量の問題から耳への影響が強くなります。
首肩こりの原因は様々ですが、精神的・肉体的ストレスが原因の場合も多くあります。
では耳閉感がある場合、病院ではどのような治療があるのでしょうか。
これは原因によって様々です。
通常は、ステロイド、利尿剤、ビタミン剤、抗生剤等を症状に応じて使います。
治療効果には個人差がありますが、薬が著効すれば症状は良くなると思います。
ただし器質的な疾患に関しては、外科的処置が必要となる場合もあるようです。
耳の詰まりに対して、鍼灸ではどにょうに対処しているのでしょうか。
これに関しては、鍼灸院によって施術の方法は様々です。
鍼灸には様々な施術法があり、西洋医学のように治療法が統一されていないからです。
ですのであくまでも当院での施術法になります。
まず、耳の詰まりの施術として重要視していることがあります。
以下にまとめます。
鍼で筋肉を緩めることによって血流を改善します。
特に首、顎周囲の筋肉をしっかりと緩めると、内耳への血流が改善されるので、血流が原因の耳閉感に対しては有効です。
ストレスで自律神経の交感神経が興奮すると、血管が収縮するので内耳の血流が悪くなります。
鍼灸治療で、交感神経の興奮を下げて自律神経のバランスが整えば血管が拡張するので内耳の血流も改善します。
当院ではこの二つを重要視して施術を行うようにしています。
内耳の血流が改善することにより、内耳にある「蝸牛」の新陳代謝が改善すれば、蝸牛内のリンパ液も正常になるので、結果として耳の詰まりが無くなる場合がほとんどです。
症状の程度や体質によって個人差は当然ありますが、ほとんどの方が数回の施術で症状が改善すると思います。
「耳が詰まるんです」と言って来院される方は、年々増えていると思います。
背景には現代の生活様式(OA機器)が関係していると思っています。
「パソコン」「スマートフォン」の使いすぎによるストレスの代償として、首の筋肉のコリ、交感神経の過緊張を引き起こし、結果として内耳の血流が下がり、蝸牛への新陳代謝の低下を招くと思います。
何度も言いますが、「ストレスと耳」は深い関係性があります。
普段からストレスを自覚している方で、耳の詰まりが発症したら要注意です。
症状が続くようなら放っておかないで、治療を受けましょう。
また生活環境の改善も必須です。
ストレスになっている原因がはっきりしている場合は、なるべくストレスから離れましょう。
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