二か月前からめまいがする。
普通にしているときは問題ないが、首を捻じると「フラッ」としためまいがしばらく続く。
怖くなって病院で検査をしたが、耳、脳は異常なしだった。
耳鼻科で「利尿剤」を処方されて服用しているがあまり変化は無い。
ネットで自分の症状を詳しく調べると「首が原因」ではないかと思うようになった。
なので「首が原因」「めまい」で調べると当院のホームページを見つける。
鍼灸は受けたことが無かったが、「症状が良くなるのなら」と来院された。
めまいの性状を伺うと、フラッとするような感じのめまいである。
「真っすぐ歩けなくなる」「立っていられない」等のめまいは無い。
めまいは首を捻じったり、上を向いたときに主に発症する。
首肩のこりは慢性的にあって、定期的にマッサージには通っている。
仕事はパソコン入力が主で、ほぼパソコン業務である。
プライベートではスマートフォンもよく使用している。
首の筋肉を触診すると緊張がひどい状態。
めまい症状は、首を過度に曲げたり捻じったりしたときのみ発症している。
これらのことから頚性めまいだと推察される。
仰臥位で、めまいと関連の深いポイント(頭、手、足)に鍼治療をする。
伏臥位で、首の筋肉を中心に背部の緊張筋にも鍼治療をする(鍼からは低周波のパルスを流す)。
首の筋肉に温灸器を使用して筋肉の緊張を緩める。
首のこりはだいぶ楽になった。
めまいは首を過度に曲げたり捻じるとクラっとする。
施術は前回同様。
首のこりは楽。
めまいも少し薄らいだ感じである。
施術は前回同様。
首のこりはほぼ無し。
めまいもだいぶ楽になっている気がする。
施術は前回同様。
施術の間隔を週に一回のペースに変更する。
首は少しこっている。
めまいはほぼ無くなっている。
施術は前回同様。
首のこりは今のとこと気にならない。
めまいは首を曲げても捻じっても発症していない。
施術は前回同様。
今回の症例は、典型的な「頚性めまい」で間違いないと思います。
頚性めまいとは、簡単に説明すると首が原因のめまいということになります。
首には「頸動脈」と「椎骨動脈」という脳に繋がる動脈があります。
通常であればこれらの動脈は脳に新鮮な酸素を送っています。
しかし首の筋肉が硬くなっている人が過度に首を曲げたり捻じったりした場合、動脈が圧迫を受ける場合があります。
圧迫を受けた動脈は血流が低下するので、脳への酸素供給が少しだけ減ってしまいます。
その結果、脳が酸欠状態になると「クラっ」としためまいが発症するのです。
ですので頚性めまいが原因でめまいを発症している場合は、首のストレスを取り除くことが重要になります。
この場合の首のストレスとは、ほとんどが筋肉のコリなので当院では鍼で首の筋肉をしっかりと緩めることを重要視しています。
鍼で首の筋肉がしっかりと緩めば動脈の圧迫も無くなるので、首の動作でめまいが発症することは無くなります。
疾患症例集について・・・
臨床経験のなかで、特に印象が強かった症例をできる限り分かりやすく掲載しています。
これをご覧になって、ご自分の症状と似ている部分があれば施術方針の参考にしてください。
尚、ご自身の抱えている症状が当院の施術で改善するのか、詳しく知りたい場合は遠慮なくご相談ください。