ほとんどの方が「頭痛」を経験したことがあると思います。
ドラックストアに行くと鎮痛剤のコーナーがあり、そこにはたくさんの種類の頭痛薬が陳列されています。
頭痛自体はありふれた症状ですが、いざ悪化すると生活に多大な支障をきたすようになります。
頭痛が酷い場合は、自分で対処せず医療機関を受診しましょう。
最近では「頭痛外来」といった頭痛専門の病院も増えていて、気軽に相談できると思います。
また当院のような鍼灸院にも、頭痛で悩まれている人はたくさん来院されています。
頭痛に関しては、当院では「群発性頭痛」以外であれば適応と考えています。
頭痛は幾つかの種類がありますが、なかでも当院では緊張性頭痛の施術を得意としています。
緊張性頭痛は、別名「筋膜性頭痛」とも言います。
読んで字のごとく、頭に付着している筋肉が過緊張を引き起こすことによって発症する頭痛です。
また頭以外にも、首、肩のこりも同時に発症する場合が多いです。
具体的な症状としては、頭を締め付けられるような圧迫感、首~後頭部にかけての重苦しい感じ等がでます。
また症状の度合いは個人差がありますが、重度になると「吐き気」を伴い、数日間も症状が持続します。
では緊張性頭痛になる原因は何でしょうか。
個人差はあるのですが、ほとんどの場合は「身体的、精神的ストレス」と言われます。
例えば、長時間のパソコン勤務等の身体的ストレス、人間関係等の精神的ストレスが長期間続くと発症リスクが高まります。
また近年では、スマホの見すぎ等で首、肩の過緊張が原因になっているケースも多いです。
いずれにしても、筋肉中の疲労物質の蓄積や脳内での痛みの調節が悪化すると頭痛となって発症するのです。
当院では緊張性頭痛に対して、関連する筋肉に鍼でしっかりとアプローチしていきます。
具体的には「側頭筋」を中心に、後頭筋群、後頚筋群、肩背筋群の緊張部に鍼をしていきます。
頭、首、肩、背部の筋肉をしっかりと鍼で緩めれば、痛みは徐々に楽になっていきます。
頭痛は大まかな種類に分けると、緊張性頭痛の他に「群発性頭痛」「片頭痛」があります。
同じ頭痛でも、この三つの頭痛は作用機序が全く違います。
では群発性頭痛、片頭痛はどのような作用機序で発症するのか、また当院では適応になるのか説明していきます。
群発性頭痛は20代~40代の男性に多いとされています。
頭痛のなかでは比較的稀な頭痛とされていて、発症率は少ないです。
特徴としては、数か月~数年のスパンで発症し、一旦頭痛発作がはじまると15分~3時間程度の強烈な頭痛が数か月続きます。
痛みの部位は、主に目の奥、目の周囲、頭の側面がほとんどです。
痛みの程度ですが、目の奥がえぐられる、アイスピックで突き刺される等、頭痛のなかでも最強の痛みと言われてます。
また特徴として発作時には、目の充血、涙が出る、鼻汁、鼻閉等を発症します。
とにかくこの頭痛は痛みが尋常ではないので、ほとんどの方が「痛みでじっとしていられない」「のたうち回る」「痛みが酷くて気絶してしまう」といった行動になるようです。
この頭痛のメカニズムははっきりとは分かっていないのですが、目の奥にある静脈が腫れてしまう説、脳内の視床下部に異常があって痛みを発症する説が有力なようです。
では群発性頭痛に関して当院の施術は適応になるのでしょうか。
私の意見としては「適応外」と思います。
流石に群発性頭痛の痛みは尋常ではないので、そもそも鍼灸院には来院されません。
発作が起きた場合、救急車で病院に運ばれる方がほとんどのようです。
病院では薬物療法が主な治療になるようですが、薬がその方にマッチすれば激しい痛みからは開放されるようです。
片頭痛という名前はほどんどの方が聞いたことがあると思います。
30代~40代の女性に多いとされていますが、男性にも多く、年齢も様々です。
特徴としては、ズキンズキンとした拍動性の痛みが数時間続きます。
症状の程度は個人差がありますが、重度の場合は吐き気等を発症して寝込んでしまいます。
原因は所説ありますが、脳の血管が拡張して三叉神経が刺激されると炎症物質が放出されて痛みが起きると言われます。
片頭痛を発症しやすい人は、ストレスを溜めやすい、神経質、遺伝、ホルモンバランス等、多岐に渡ります。
ではこの片頭痛は鍼灸で改善するのでしょうか?
まず片頭痛発作が起きている状態で鍼灸治療をしてしまうと、ほとんどの場合痛みが悪化します。
ただでさえ血管が拡張してズキズキと痛いのに、鍼灸治療して余計に血管を拡張させたら悪化するのは当然です。
ですので片頭痛の場合は頭痛発作が起きている時は鍼灸はお勧めしません。
まあ、片頭痛は医療機関での薬物治療の方が遥かに優れています。
片頭痛も研究が進み、痛みを改善する治療薬も続々と登場しています。
新薬の登場によって、片頭痛の痛みをコントロールできる人が増えているようです。
では片頭痛に対して鍼灸は無効なのかと言えば違います。
実は予防的な施術で貢献できるのです。
片頭痛持ちの方のほとんどが、精神的、肉体的、気象的なストレスがかかると頭痛発作を発症しやすくなります。
鍼灸治療は、これらのストレスを軽減されることに優れています。
ですので片頭痛の人に関しては、症状が無くても定期的の施術を提案しています。
実際に当院に来院されている片頭痛の患者様を何人も施術していますが。
二週間~三週間に一回程度の鍼灸治療を行っていると、明らかに片頭痛が楽になってきます。
例えば、週に一回は片頭痛発作を発症していた人が、三週間に一回に減ったとか。
今までは痛みが出ると寝込んでしまっていたけど、寝込むほどでは無くなった等。
要するに「予防」という意味で鍼灸治療が有効なのです。
頭痛の方達を診ていると、緊張性頭痛と片頭痛の両方を発症している人もいます。
この場合を「混合性頭痛」と言います。
混合性頭痛を発症する方は、緊張性頭痛と片頭痛の作用機序が異なり、対処法も真逆なのでやややこしい頭痛と言えます。
ほとんどの方が、まず首肩のこりが激しくなり、頭の詰め付けが発症します。
その後に、ズキズキと片頭痛の発作が出始めます。
ですので順番は緊張頭痛→片頭痛といった流れになると思います。
まずは緊張性頭痛を発症しないように予防するのが大事です。
疲れを溜めない、パソコン、スマホを見すぎない等が必要です。
因みに当院では、緊張性頭痛の施術を主にしますが、片頭痛に移行した場合は、薬物治療をお勧めしています。
当院では主に「緊張性(筋膜性)頭痛」の施術を得意としています。それは当院の鍼治療が筋肉をしっかりと緩めることが得意だからです。
緊張性頭痛の人は、首、肩、背中の筋肉が緊張しているので鍼でしっかりと緩めます。次に頭部の筋肉(側頭筋、咬筋、後頭筋)にも鍼でしっかりとアプローチして緊張を緩和していきます。
個人差はありますが、緊張性頭痛の場合はほとんどが数回の施術で効果が期待できると思います。
予防(片頭痛の発症リスクを減らす)としては有効です。当院で定期的に施術している人は、頭痛発作が減ったり、発作時の痛みの軽減が出来ています。
市販の頭痛薬を容量・用法を超えて服用していると「薬物乱用頭痛」になってしまい効かなくなります。ここまでくると自分で対処できないので、医療機関にご相談ください。尚、医療機関と併用して鍼灸治療を受けると相乗効果で改善率が高まります。
緊張性頭痛は基本は首肩、頭部を温めます。血行を改善することによって筋肉がリラックスして楽になります。片頭痛は痛みがある場合は、患部を良く冷やします。またなるべく明かりを暗くして、音も遮断してじっとしていましょう。