胃の不調を訴える原因は多岐にわたります。
そのなかで鍼灸治療で比較的効果があるタイプに「神経性の胃炎」があります。
神経性の胃炎とは、過度なストレス、疲労が長期間続くと自律神経のバランスが崩れてしまい、結果として胃の不調を発症する疾患です。
厄介なのは、この疾患は病院で検査をしても異常が発見されないことです。
この神経性胃炎ですが、別名「ストレス性胃炎」、最近では「機能性ディスペプシア」と言ったりもします。
個人差があって症状は様々なんですが。
主な症状としては、食後のもたれ、少量で満腹になる、みぞおち周囲の痛み、胸焼け、吐き気、背中の張り等があります。
この疾患で来院されている方達にお聞きすると、胃の痛みが一番辛いようです。
またほとんどの方が体重も減ってしまうので、体力的にも辛い状態になります。
原因のほとんどは「過度のストレス」です。
ここで言うストレスとは、肉体面、精神面の両方を意味します。
過度のストレスが長期間続くと「自律神経」のバランスが崩れます。
自律神経は様々な器官を調節していますが、胃の調節も行っています。
長期のストレスによって自律神経が崩れると、胃酸を分泌しすぎたり、しなかったり、胃の動きが活発になりすぎたり、動かなかったりと不具合を引き起こします。
病院では「胃酸の分泌を抑える」「胃の動きを改善する」薬が処方されるようです。
その他、食生活の改善が重要になります。
食べ過ぎ、刺激物、脂肪、アルコール等、摂取を見直します。
暴飲暴食はせず、なるべく和食中心の食事が理想です。
機能性ディスペプシアはストレスが原因となっていることがほとんどですので、ストレスを減らすことがとても重要です。
まずはできることからはじめて、ストレスを少しでも減らすことを考えていきましょう。
ストレスが過度な状態だと完治は難しくなります。
また睡眠も重要です。
どんなに忙しくても睡眠時間はしっかりと確保するようにしてください。
機能性ディスペプシアに関しては個人差はありますが、鍼灸治療を行うことによって改善率が高まります。
施術の内容は鍼灸院によって様々ですが、当院では主に自律神経のバランスを整えることを重要視しています。
具体的には以下の二つを重要視して施術を行います。
まず1に関しては、全身にあるツボを選んで鍼灸をすることによって、自律神経のバランスを整えていきます。
次に2ですが、胃の自律神経は背中に伸びているので、胃の不調がある人は必ずと言っていいほど背中の筋肉が緊張しています。
背中の筋肉が硬くなってしまうと、胃の動きも悪くなるので余計に悪循環になります。
ですので背中の筋肉を鍼でしっかりと緩めることによって、自律神経をかえして間接的に胃のストレスを減らします。
また背中の筋肉を物理的に緩めれば、胃の圧迫も無くなるので結果的に胃の動きも改善します。
現代はストレス社会と言われています。
そしてこのような状況になると、ストレスが原因の疾患が増えていきます。
機能性ディスペプシアもそのひとつで、当院にもこの疾患で悩まれている方達は増えています。
来院されるほとんどの方が、胃の痛み、膨満感、食欲減少、体重減少で悩まれています。
機能性ディスペプシアに関しては、しっかりとストレス管理を行い、治療を行えばほとんどの方が改善していきます。
その逆に、ストレス管理が出来ない方は、あまり改善はしません。
とにかく、この疾患に罹患してしまった場合はしっかりと医療機関で治療をしましょう。
鍼灸治療や漢方も有効ですので、病院の治療と並行して取り入れてみてください。
はい、病院で胃カメラ、血液等の検査をしても異常は発見できません。
直接治す治療は今のところありません。対処療法になります。
正直、効く人もいればあまり効果が無い人もいます。対処療法なので個人差があります。
正直に言って改善する人もいますが、あまり改善しない人もいます。つまり個人差がかなりあります。
同じ機能性ディスペプシアでも症状の程度で違いがあります。また改善している人は、しっかりと生活環境を見直し、治療にも積極的です。
まったく問題ありません。この疾患は対処療法しかないので、むしろ積極的に様々な治療と併用した方が相乗効果で改善率が高くなると思います。