肉離れ後の痛みの症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

肉離れ後の痛みの症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

肉離れ後の大腿後面の痛みの症例集です。
肉離れの後遺症で、しこりのようになっている筋肉に中国鍼が有効だった症例です。

肉離れの後遺症に悩む 40代 男性

症状・・・

6週間程前に、ジムで走っていたら左の太ももに激しい痛みを訴える。

 

痛みは徐々に悪化していき、耐えられなくなったので整形外科を受診した。

 

診断の結果は「肉離れ(2型)」。

 

湿布、鎮痛薬を処方された。

 

しばらく安静にして、患部を冷やして、痛みが激しいときは鎮痛剤を服用する。

 

一か月程で痛みも治まり安心する。

 

しかし運動を開始して、走り始めたが痛みを発症する。

 

特に足のストレッチ、急なダッシュをすると左太ももの裏に「ズキッ」と痛みが走る。

 

自分で太ももの裏を触ってみると、筋肉の奥に「しこり」のような硬さを触れる。

 

おそらくこれが原因になっているのかと自分では思っているが、このしこりは自分ではどうしようもないので施術に頼ることにした。

 

学生の頃から、接骨院、鍼灸、整体等いろいろと通っていたが、今回はネットで当院を見つけて来院された。

 

因みに当院に決めた理由は「中国鍼」「筋肉の深部にアプローチ」と掲載されていたのが決め手になったよう。

 

要するに鍼は慣れていて、しっかりと深く刺してもらわないと満足しないようで「中国鍼でしっかりと患部に刺してください」とのこと。

 

 

医療面接・身体診察・・・

普通の歩行では痛みは発症しない。

 

あくまでも急な動きで痛みが発症する。

 

またストレッチも軽く伸ばすくらいでは痛みは発症しないが、しっかりと伸ばすと痛みが発症する。

 

なので普段の生活では、ほとんど支障はでていない。

 

しかしこれからも運動をしたいので、運動をしても痛みが出ないようにしたい。

 

因みにジムには昔から通っていて、週に三回~四回は運動している。

 

筋トレはあまり激しくは行っていない。

 

仕事は事務職で座っていることが多い。

 

足の痛み以外では慢性的な「腰痛」があり、疲れると痛みが酷くなる場合が多々ある。

 

身体診察では、左大腿部の裏をしっかりと触診すると「しこり」のような硬さに触れる。

 

腰、大腿、下腿にかけて筋肉の緊張が激しい。

 

 

考えられる疾患名・・・

肉離れの痛み自体は完治している。

 

普段の動きでは痛みの発症は無し。

 

急な筋肉の動作、過度のストレッチで痛みが発症している。

 

これらを総合すると、肉離れの後遺症だと推察される。

 

 

施術方針・経過・・・

  • 大腿後面のしこりの部分を鍼でしっかりと緩める。
  • 腰の筋肉、左の脛、大腿前面の筋肉も鍼で緩める。
  • 鍼からは低周波のパルスを流す。
  • 施術の頻度は週に二回のペースで行う。
  • 鍼の長さは、大腿後面のしこりには75ミリの中国鍼、その他は60ミリの日本鍼を使用する。

 

第一回・・・

仰向けで、左の大腿前面部、脛の筋肉に鍼をする。

 

うつ伏せで、腰、大腿後面部に鍼をする。

 

第二回・・・

前回の治療で少し楽になっている。

 

痛み指数(10→7)。

 

施術は前回同様。

 

第三回・・・

徐々に良くなっている。

 

痛み指数(7→5)。

 

施術は前回同様。

 

第四回・・・

ストレッチで大腿を伸ばしてみたが、痛みはほとんど無かった。

 

痛み指数(5→2)。

 

施術は前回同様。

 

第五回・・・

ジムで走ってみたが痛みは出なかった。

 

痛み指数(2→0)。

 

施術は前回同様。

 

  • 痛みが無くなったので、施術を終了とした。

 

 

考察・・・

今回の症例は、肉離れからの後遺症だと思います。
肉離れ
「肉離れ」は聞いたことがあると思いますが、運動等で急な動きをしたときに、筋肉が「裂けるチーズ」のように剝がれてしまう症状です。

 

筋繊維が切れてしまうので、筋肉内に炎症を引き起こしてしまい、激痛を伴います。
肉離れ(処置)
一般的に肉離れを発症してしまった場合は、患部を冷やして、安静を保ち、しっかりと固定を行います。

 

そして理学療法、物理療法が主な施術法になります。

 

基本的には三週間~五週間程で症状は治まります。

 

だた、人によっては後遺症のような形で筋肉の硬さが残ってしまう場合もあります。

 

今回のケースも病院で痛み止めを処方されて自然に痛みが無くなったのですが、筋肉自体の施術をしていなかったので「しこり」として残ってしまったと思います。

 

しこりができてしまうと、通常の生活ではあまり影響はないのですが、運動時、ストレッチ等では「痛み」を発症します。

 

これは筋肉を過度に伸ばした時に、しこり(硬くなっている)の部分は伸びないので無理に伸ばすときに痛みが発症するわけです。

 

ですので当院ではこのような症状に対しては、鍼でしっかりと硬くなっている部分の筋肉を緩めるようにしています。

 

また使用する鍼も深部の筋肉に届くように「長い鍼」を使用する場合が多いです。

 

何故なら肉離れの後遺症のほとんどは「深部筋」が硬くなるからです。

 

ですので深部筋に届くよう、必然的に長い鍼を使用することになります。
深部筋(鍼)
鍼の利点は、硬くなっている筋肉に直接アプローチができることです。

 

硬くなっている筋肉に直接「鍼」が刺さるので、刺された筋肉周囲の血管が拡張して血流を改善します。

 

これらの作用によって筋肉内の老廃物が流れやすくなり結果として筋肉の拘縮は改善しやすくなります。

 

また「しこり」の部分以外にも関連する筋肉に鍼をすることによって、血行を改善してバランスを整えていきます。

 

ほとんどの方が四回~六回の鍼治療で改善していきます。

 

肉離れの後遺症に関しては、肉離れを発症したときにしっかりと治療すればまずなりません。

 

しっかりと治療せずに、痛み止め、湿布等で誤魔化してしまうと痛み自体は治っても筋肉の緊張・コリは残ってしまいます。

 

そしてこの状態になってしまうと、再度運動を開始したときに、筋肉の角度、伸ばし具合によっては痛みを伴ってしまい支障がでます。

 

ですので後遺症を残したくないのであれば、肉離れを発症したときにしっかりと筋肉の施術を行うようにしましょう。

 

それでも後遺症として残ってしまった場合は鍼治療をお勧めします。


 

 

 

 

疾患症例集について・・・

臨床経験のなかで、特に印象が強かった症例をできる限り分かりやすく掲載しています。

 

これをご覧になって、ご自分の症状と似ている部分があれば施術方針の参考にしてください。

 

尚、ご自身の抱えている症状が当院の施術で改善するのか、詳しく知りたい場合は遠慮なくご相談ください。