過敏性腸症候群の症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

過敏性腸症候群の症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

過敏性腸症候群の症例です。
過敏性腸症候群でお困りの方は、埼玉県さいたま市西区の鍼灸専門院-彩玉鍼灸院をお勧めします。

緊張すると腹痛、下痢が酷い 20代男性

症状・・・

元々神経質な性格で、緊張すると下痢を起こしやすかった。

 

大学を卒業して、就職したあたりから更にお腹の調子が悪くなりだした。

 

特に仕事に行く前が辛く、通勤中に急に腹痛に襲われる。

 

その後、お腹がグルグルと鳴りはじめたかと思うと急激に便意を感じてトイレに駆け込むと、必ず下痢になっている。

 

一応、病院に行って内視鏡の検査を受けたが器質的な異常は無かった。

 

神経性の疾患と診断されて、心療内科を勧められたが抵抗があって受診はしていない。

 

また最近になって、背中(肩甲骨)周囲の筋肉が異常に張って辛くなる。

 

背中の張り、痛みで検索していると「鍼灸」が良いのではと思い、自宅の近くを探していると当院のホームページを見つけた。

 

詳しく載っていたので、試しに来院された。

 

医療面接、身体診察・・・

お腹の痛みは、ストレスが加わる時のみ発症する。

 

腹痛がはじまると、必ず下痢する。

 

便秘はしたことがほとんどない。

 

背中の張り、痛みはお腹の痛みの後に悪化することが多い。

 

排便すると、お腹は楽になる。

 

肩甲骨周囲の筋肉は異常に硬くなっている。

 

脈診では「弱」「軟」。

 

考えられる疾患名・・・

ストレスで腹痛、下痢を発症すること。

 

排便で腹痛は楽になる。

 

背部の筋肉の過緊張がある。

 

内視鏡では、腸の器質的な異常は無かった。

 

これらを考慮すると、過敏性腸症候群(下痢型)であると推察される。

 

施術方針、経過・・・

  • 鍼灸で自律神経のバランスを改善する。
  • 背部の筋肉の緊張を鍼でしっかりと緩める。
  • 温灸器で腹部の筋肉の緊張を緩める。
  • 施術の頻度は週に一回のペースとする。
  • 鍼の長さは4cmの日本鍼を使用する。

 

第一回・・・

仰臥位で、頭、手、足、腹部のツボに鍼治療、腹部には同時にお灸をする。

 

腹部の筋肉の緊張部に温灸器をあてる。

 

伏臥位で、首、肩、背中の筋肉の緊張部に鍼治療。

 

第二回・・・

前回の施術で、背部の筋肉は緩んだ感じ。

 

睡眠が深く取れた。

 

施術は前回同様。

 

第三回・・・

背部の痛みはほとんどない。

 

腹痛も少し治まっている。

 

施術は前回同様。

 

第四回・・・

背部の痛みは全くない。

 

腹痛もだいぶ回数が減っている。

 

同時に下痢の回数も減っている。

 

施術は前回同様。

 

第五回・・・

背部は楽。

 

体全体も軽くなっている感じ。

 

腹痛もほどんど起きていない。

 

下痢もあまり無い状態。

 

第六回・・・

背部の張り、痛みは全くない。

 

よく眠れている。

 

腹痛は今は治まっている。

 

下痢もしていない。

 

施術は前回同様。

 

  • 一応、症状が改善しているので定期的な頻度で施術することを提案する
  • 今現在は、三週間~一か月のスパンで施術を継続している。

 

考察・・・

過敏性腸症候群(IBS)は、大腸、小腸に潰瘍、炎症が無いにも関わらず、下痢・便秘、腹痛等を引き起こす機能性疾患です。
大腸検査
器質的には問題がないので、内視鏡で腸の検査をしてもまったく異常は発見されないわけです。

 

この疾患ですが、「下痢型」「便秘型」「混合型」に分けられます。

 

下痢型は男性に多く、便秘型は女性に多いようです。
腹痛(過敏性腸症候群)
また排便時の腹痛に関しても一般的な腹痛に比べ、かなりの痛みを伴います。

 

この過敏性腸症候群ですが、原因はストレスと言われています。

 

元来、ストレスと腸は密接な関係にあります。
ストレス(腸)
誰しも緊張すると、お腹の調子が悪くなった経験はあると思います。

 

しかし過敏性腸症候群を発症するタイプの人は、人一倍過敏に反応すると言われています。

 

治療に関してですが、過敏性腸症候群を確実に治す治療法は今のところありません。

 

要するに対処療法になります。

 

ですのでこの疾患を発症している人は、様々な種類の薬を服用したりする場合が多いです。

 

しかし薬が合わないと副作用のみが目立ってしまい、結局止めてしまう人もいます。

 

薬以外では漢方薬もあります。

 

漢方薬に関してもやはり個人差がありますが、自分の体質に漢方が合えば効果はあると思います。

 

一方、鍼灸治療ですが、これも私の経験から言えばかなり個人差があります。

 

正直なところ、劇的に良くなる方もいれば、ほとんど変化がない方もいます。

 

まあ、良くなる方は治療にも積極的で、生活の改善(ストレスを減らす)もしっかりと行っている場合が多いのですが。

 

とにかくこの疾患は、しっかりと治療に取り組んで、生活の改善もとても重要になってきます。

 

また改善には時間がかかる場合がほとんどで、月単位での治療が必要になります。

 

 

では鍼灸治療はどのような機序で過敏性腸症候群を改善していくのでしょうか。

 

様々な作用機序があるのですが、重要なのは「自律神経のバランスを整える」ことです。
自律神経(バランス整える)
過敏性腸症候群は、ストレス等によって自律神経のバランスが崩れることにより発症する疾患です。

 

ですので鍼灸治療によって自律神経のバランスが整えば、症状も改善します。

 

因みに自律神経は体の体表に伸びています。
自律神経(体表)
ですので体表を鍼灸で刺激することによって、自律神経を刺激して間接的に内臓の調子を整えます。

 

また自律神経は脳の視床下部から指令をだしますが、鍼灸をすることによって脳から「βエンドルフィン」等のホルモンが放出されて、脳の機能が改善します。

 

過敏性腸症候群を発症している方は、視床下部からのホルモン異常があるとされているので、鍼灸で脳のホルモンが改善すれば症状も落ち着くわけです。

 

また過敏性腸症候群を発症している方は、体の緊張も激しいことが多く、要するに筋肉の過緊張が見受けられます。

 

多い部位では「背中」「頚部」の筋肉が過緊張を引き起こしやすいです。
頚部 背中 筋肉
ですので当院では、筋肉の過緊張に対しても鍼でしっかりと筋肉にアプローチしていきます。

 

筋肉の過緊張が緩めば、交感神経の緊張が下がるので体がリラックスします。

 

 

このように当院では、過敏性腸症候群の方に対して「自律神経」「筋肉」の異常を改善するように施術しています。

 

時間はかかりますが、ほとんどの方は徐々に症状が楽になりますよ。

 

あと生活改善もとても重要です。

 

なるべくストレスを溜めない、発散するような生活を心掛けてください。


 

 

疾患症例集について・・・

臨床経験のなかで、特に印象が強かった症例をできる限り分かりやすく掲載しています。

 

これをご覧になって、ご自分の症状と似ている部分があれば施術方針の参考にしてください。

 

尚、ご自身の抱えている症状が当院の施術で改善するのか、詳しく知りたい場合は遠慮なくご相談ください。