こめかみの痛みの症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

こめかみの痛みの症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

こめかみの痛みに対する鍼灸治療の症例です。
こめかみの痛みでお困りの方は、埼玉県さいたま市西区の鍼灸専門院-彩玉鍼灸院をお勧めします。

左右のこめかみが痛い 40代 女性

症状・・・

二か月程前から「こめかみ」が痛い。

 

痛みは、しめつけられるようなズキズキとうずくような痛みである。

 

特に朝方に痛みが激しく、午後になると多少は落ち着く。

 

また首のコリも酷く、特に耳の下周囲の筋肉が硬くなっている。

 

最近では、顎の痛みもあり、こめかみ同様に朝方が特に痛い。

 

心配になって病院で脳のMRIを撮ったが異常なしと診断。

 

首のレントゲンでは「ストレートネック」を指摘された。

 

ネットで調べて「顎関節症」を疑い、歯医者に行き「歯ぎしり」「食いしばり」を指摘されて「マウスピース」を作った。

 

睡眠時はマウスピースをしたが、どうも気分が悪くなり一週間ほどで止めてしまった。

 

この方の妹さんが当院に来院経験があり「行ってみたら」と紹介されて、鍼灸は経験がなく怖かったが来院された。

 

 

医療面接・身体診察・・・

こめかみの痛みは徐々に悪化している。

 

最近では痛みが激しく、生活に支障がでている。

 

首は慢性的にコリが酷かったが、最近では「吐き気」がするほど悪化している。

 

仕事はしていないが、親の介護でかなりのストレスが溜まっている。

 

睡眠は浅く、夜中に何度も起きてしまう。

 

年齢的に更年期なのか「イライラ」「顔が熱くなる」等の症状がある。

 

顎の痛みは朝方が酷く、口を大きく開けるのが辛い。

 

身体診察では、「側頭筋」の異常な緊張、硬さを認める。

 

頸部に関しては、胸鎖乳突筋の過緊張がある。

 

顎の周囲では「咬筋」「翼突筋」の硬さが酷い。

 

 

考えられる疾患名・・・

左右の側頭筋の過緊張。

 

顎関節周囲の筋肉の過緊張。

 

胸鎖乳突筋の過緊張。

 

朝方に激しい痛みがある。

 

歯医者で歯ぎしり、食いしばりを指摘されている。

 

精神的なストレスが多い。

 

これらを加味すると、食いしばりが原因の側頭筋の過緊張による痛みと推察される。

 

 

施術方針・経過・・・

  • 側頭筋の緊張を鍼でしっかりと緩める。
  • 顎関節周囲、胸鎖乳突筋を鍼で緩める。
  • 交感神経の興奮を鍼・温灸で下げる。
  • 施術の頻度は週に二回のペースで行う。
  • 鍼の長さは5センチの日本鍼を使用する。
  • 鍼からは低周波のパルスを流す。

 

第一回・・・

仰向けで、側頭筋、咬筋、翼突筋、胸鎖乳突筋に鍼治療。

 

側頭筋に温熱のマッサージ。

 

うつ伏せで、首の筋肉群、肩、背部の緊張している筋肉に鍼治療。

 

第二回・・・

前回の施術でこめかみの痛みは少し楽になった。

 

痛みの指数(10→8)。

 

施術は前回同様。

 

第三回・・・

こめかみの痛みは徐々に楽になっている。

 

痛みの指数(8→6)。

 

顎関節、首の痛み、コリも楽になっている。

 

第四回・・・

こめかみの痛みは徐々に楽。

 

痛みの指数(6→4)。

 

顎関節、首のコリも楽になっている。

 

睡眠も深く眠れるようになってきた。

 

第五回・・・

こめかみの痛みはかなり楽。

 

痛みの指数(4→1)。

 

顎関節、首のコリも楽になっている。

 

深く眠れるようになってきたら、イライラすることも減ってきた。

 

第六回・・・

こめかみの痛みは気にならない。

 

顎関節周囲の痛みはほぼ無し。

 

疲れると首のコリは多少気になる。

 

睡眠は日によって波はあるが、深くは眠れている。

 

  • 症状が改善してきたので、定期的な施術に切り替える。
  • 今現在は、二週間に一回のペースで施術を継続中である。

 

 

考察・・・

今回の症例は、食いしばりが原因の側頭筋の痛みだと思います。
食いしばり
食いしばり、歯ぎしりは睡眠中に無意識に行っている行為です。

 

本能的に顎を力いっぱい食いしばるので、筋肉にかなりの負担をかけます。
側頭筋、咬筋 胸鎖乳突筋
特に「側頭筋」「咬筋」「翼突筋」「胸鎖乳突筋」という筋肉に負担がかかるのです。

 

今回の症例の方も、上記の筋肉に強い負担がかかっていて、触診すると筋肉の過緊張が認められました。

 

ではこの「食いしばり」は何故起きるのでしょうか。

 

原因のほとんどは「ストレス」です。

 

ストレスが多い人は、ストレスを軽減する行為の一つとして「食いしばり」という行為を無意識に行います。

 

じつは食いしばり等の「咀嚼」行為を行うと、脳から「ドーパミン」「βエンドルフィン」というホルモンがたくさん分泌されます。

 

ドーパミン、βエンドルフィンは「快楽ホルモン」とも呼ばれ、要するにドーパミン、βエンドルフィンが出ることによってストレスを軽減しているのです。

 

よくメジャーリーガーが試合中にクチャクチャとガムを噛んでいるのをテレビで見たことがあると思いますが、選手はガムを噛むことによってストレスを軽減させているのです。

 

このようにストレスが多い人は、睡眠中にストレスを発散する行為として「食いしばり」を行います。

 

この食いしばり、歯ぎしりですが、睡眠中の無意識な行為なので治療するのは難しいとされています。

 

なので「予防」が大切になります。

 

歯医者では「マウスピース」が推奨されています。

 

ただしマウスピースが苦手な人もいて、結局は使用しない場合も多いようです。

 

根本的にはストレスを軽減できれば、食いしばり、歯ぎしり行為は治まってくると思います。

 

 

当院では、食いしばり・歯ぎしりが原因の場合は、関連する筋肉をしっかりと鍼で緩めることを行っていきます。

 

鍼治療で関連する筋肉が緩めば「痛み」「緊張」が緩和されて「生活の質」が向上します。

 

また根本的な原因が「ストレス」の場合は、自律神経の調節も行います。
自律神経
鍼灸治療で自律神経の「交感神経」の興奮を下げることで体がリラックスすれば睡眠の質もよくなって、食いしばり、歯ぎしりも落ち着いていきます。

 

尚、このような症状は頭痛の一つである「緊張性頭痛」「筋膜性頭痛」とも言われます。

 

この頭痛は近年とても増えている頭痛です。

 

その背景には「ストレス社会」の急増が原因であると思っています。

 

 

ストレスが多い方で、こめかみ等に痛みが強い場合は睡眠中の食いしばり・歯ぎしりを疑ってみてください。

 

歯医者で診てもらえば、歯の状態ですぐにわかるようです。

 

関連する筋肉に痛みがある場合は、鍼灸治療も試してみてはいかがでしょうか。


 

 

 

 

疾患症例集について・・・

臨床経験のなかで、特に印象が強かった症例をできる限り分かりやすく掲載しています。

 

これをご覧になって、ご自分の症状と似ている部分があれば施術方針の参考にしてください。

 

尚、ご自身の抱えている症状が当院の施術で改善するのか、詳しく知りたい場合は遠慮なくご相談ください。