肩甲間部の痛みの症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

肩甲間部の痛みの症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

肩甲骨周囲の痛み、張り、胃のもたれに対する鍼灸治療の症例です。
肩甲骨周囲の筋肉の痛み、張りでお困りの方は、さいたま市西区の彩玉鍼灸院にご相談ください。

肩甲間部の痛み、張りに悩む 50代 男性

症状・・・

4か月程前から、肩甲骨の周囲に張りを感じるようになる。

 

しばらく様子をみていたが、徐々に悪化していて2か月前から「痛み」を感じるようになる。

 

痛みは徐々に悪化していて、仕事中は特に痛みを感じるが、最近では寝ていても痛みを感じる。

 

また「胃がもたれる」ようになり、食欲も落ちている。

 

「胃に何かあるのではないか」と心配になって検査をうけたが「異常なし」と診断される。

 

整形外科にも行ってレントゲンを撮ったがこれといって異常はなかった。

 

原因は筋肉だと思うようになり、近くの接骨院で電気治療、簡単なマッサージを受ける。

 

多少楽になったが、相変わらず肩甲骨周囲の痛み、張りがあってどうしようかと悩む。

 

ネットで鍼治療に興味がでてきて近くの鍼灸院に通ったが、そこは鍼を浅くしか刺さないようで、いまいち効果を感じられなかった。

 

なのでネットで「鍼、深く刺す」と検索したら当院が該当したらしく、場所も車で30分位だったので来院された。

 

 

医療面接・身体診察・・・

肩甲骨周囲の痛みは徐々に悪化している状態である。

 

特に仕事中が最も症状が酷い。

 

仕事は営業で、長時間車の運転もするし、社内ではパソコンも長時間使っている。

 

運動などは一切していないが、付き合いで月に2回ほどは「ゴルフ」をしている。

 

就寝中は肩甲骨周囲が張ってきて眠りが浅い。

 

胃はもたれる感じで、痛みはないが気分がよくない感じ。

 

精神的なストレスは家では子供の進学、金銭的な問題、仕事では中間管理職なので人間関係のストレスがある。

 

病院での定期的な検査では「LDLコレステロールが高い」「肥満傾向」がある。

 

身体診察では、肩甲骨周囲の筋肉が異常に硬くなっている。

 

肩甲骨周囲以外にも、首、腰等の筋肉も過緊張がある。

 

腹部の筋肉は、胃の周囲、季肋部に明確な張りが認められる。

 

脈診すると「緊」「数」脈であり、交感神経の過緊張が認められる。

 

 

考えられる疾患名・・・

 

病院の検査では、背中、胃は器質的には問題なしと診断されている。

 

ストレスがかかると肩甲間部の痛みが悪化している。

 

仕事、プライベートで痛みが悪化している。

 

脈診すると「緊」「数」で、体の緊張が著名である。

 

これらを総括するとストレス過多による交感神経の過緊張と推察される。

 

 

施術方針・経過・・・

  • 鍼灸治療で交感神経の興奮を下げることが重要。
  • 肩甲間部の筋肉の過緊張を鍼でしっかりと緩める。
  • 腹部の過緊張を鍼で緩める。
  • 手足のツボを使って交感神経の緊張を下げる。
  • 鍼からは低周波のパルスを流す。
  • 施術の頻度は週に二回のペースで行う。
  • 鍼の種類に関しては、手足、腹部には4センチの日本鍼、背部に関しては5センチの中国鍼を使用する。

 

第一回・・・

仰向けで、手足、腹部のツボに鍼治療を行う。

 

うつ伏せで、肩甲間部の過緊張した筋肉を中心に鍼治療を行う。

 

温熱マッサージを肩甲間部の筋肉に充てる。

 

第二回・・・

肩甲間部の痛みは少し楽になった。

 

痛み指数(10→8)。

 

胃のもたれは相変わらず。

 

施術は前回同様。

 

第三回・・・

肩甲間部の痛みは徐々に楽。

 

痛み指数(8→5)。

 

胃のもたれは変化なし。

 

施術は前回同様。

 

第四回・・・

肩甲間部の痛みはだいぶ楽になった。

 

痛み指数(5→2)。

 

胃のもたれも楽になっている。

 

睡眠も深く眠れるようになってきた。

 

施術は前回同様。

 

第五回・・・

肩甲間部の痛みはほとんど気にならない。

 

胃のもたれもほとんど無い。

 

体全体が楽である。

 

施術は前回同様。

 

  • 症状が落ち着いたので施術は一旦終了とする。
  • 「疲れが溜まったら早めに来院ください」とアドバイスした。

 

 

考察・・・

今回の症例は、過度のストレスが長期間続くことによる「交感神経の過緊張」が原因だと思われます。

 

交感神経とは自律神経の一つで、主に「緊張したとき」に動く神経です。
自律神経
通常は緊張・興奮したときは「交感神経」が働き、リラックスしているときは「副交感神経」が働きます。

 

一日のサイクルでいうと、日中(仕事、勉強)している時は交感神経が優位で、夜(家でくつろいでいる時、就寝中)は副交感神経が優位になってお互いがバランスをとっています。

 

しかし何かしらのストレスを抱えている人の場合、日中は過度に交感神経が優位になり、夜も交感神経が優位な状態になってしまいます。

 

このような状態が続くと、交感神経だけが優位の状態が続いてしまい、体に変調をきたします。

 

今回のケースの方は、主に肩甲間部の痛み・張りが酷くなってしまい、その延長として胃の不快感まで発症してしまいました。

 

では何故、交感神経が過緊張を引き起こすと、肩甲間部が痛くなったり張ってくるのでしょうか。

 

それは交感神経は主に背中にくっついているからです。
交感神経(背中)
もちろん交感神経は全身に分布しているのですが、背中にたくさん集中しています。

 

なので交感神経の過緊張が長時間続くと、ほとんどの人に「背中の痛み、張り、違和感」としての症状が現れやすくなります。

 

また背中の筋肉の緊張が続くと胃が圧迫を受けることがあるので、人によっては「胃の痛み、不快感」が現れることがあります。

 

今回のケースの方も、肩甲間部(背中)の筋肉の過緊張が続いたので二次的な症状として胃のもたれを発症したと思います。

 

このように「背中」と「お腹」はとても強い繋がり、関連があるということです。

 

例えば胃腸が悪くなると、背中や腰が痛くなることもありますし、今回のように背中が硬くなると胃の調子が悪くなることがあります。

 

ですので当院では、このような症状がある人の場合は、背中、お腹の両面を施術するようにしています。

 

関連のある部分をしっかりと施術することで、改善率が高まるからです。

 

また交感神経の緊張を下げる場合は、手、足、頭にあるツボにもしっかりとアプローチしていきます。

 

末端にあるツボを使うことで、自律神経のバランスを整えることができるからです。

 

このように当院では、体全体のバランスを常に考えて施術を行っていきます。

 

尚、交感神経の過緊張で背中の筋肉が硬くなっている場合、当院では背中(肩甲間部)の筋肉にはしっかりと鍼をしていきます。
肩甲骨周囲筋肉
これは背中(肩甲間部)の筋肉は何枚も厚い筋肉が重なっている為、浅い鍼では効果が薄いと経験上考えるからです。

 

もちろん個人差があるので一概には言えませんが。

 

とにかく「交感神経=背中」というくらい、ストレスと背中は関連性が高いということです。


 

 

 

疾患症例集について・・・

臨床経験のなかで、特に印象が強かった症例をできる限り分かりやすく掲載しています。

 

これをご覧になって、ご自分の症状と似ている部分があれば施術方針の参考にしてください。

 

尚、ご自身の抱えている症状が当院の施術で改善するのか、詳しく知りたい場合は遠慮なくご相談ください。