4か月前から頭痛が酷い。
特に仕事をしていると頭痛が悪化して早退することもある。
市販の頭痛薬を飲むと多少は落ち着く程度。
心配になって病院で脳のMRIを撮ったが、脳には異常は無かった。
元々、首肩こりは酷く定期的にマッサージや整体には通っていたが、頭痛に関してはあまり改善していない。
ネットでいろいろと調べると、鍼灸を試してみたくなった。
職場の近くで鍼灸院を検索すると当院のホームページを見つける。
頭痛に関しても詳しく載っていたので試しに来院された。
頭痛の性状を伺うと、「頭全体が締め付けられる」ような頭痛である。
頭痛は、首肩のこりが激しくなると発症する。
酷くなると「吐き気」があるが実際に嘔吐はしない。
お風呂に入って温めると多少楽になる。
頭痛の頻度は最近悪化していて、週に三回程は頭痛に見舞われる。
仕事は経理でパソコンを一日中使用している。
触診では、首肩の筋肉の緊張が激しい。
また頭の側頭部の筋肉も緊張が見受けられる。
首肩、頭部の筋肉の過緊張が酷い。
温めると楽になる。
痛みの性状を考慮すると。
緊張性(筋膜性)頭痛だと推察される。
仰臥位で、側頭筋を中心に頭部の緊張している筋肉に鍼治療。
伏臥位で、首、肩、肩甲骨周囲の緊張している筋肉に鍼治療。
首、肩の筋肉に温灸器を使用する。
一回目の施術で、首、肩のこりはだいぶ楽になった。
頭痛はまだあるが、痛みの程度は減った(痛み指数10→5)。
施術は前回同様。
首、肩のこりはかなり楽になっている。
頭痛も痛みはかなり減っている(痛み指数5→2)。
施術は前回同様。
首、肩のこりはほぼ無い。
頭痛も症状が治まっている状態
施術は前回同様。
今回の症例は典型的な「緊張性頭痛」です。
緊張性頭痛は別名「筋膜性頭痛」とも言い、要するに「筋肉が原因の頭痛」ということになります。
頭にはたくさんの筋肉がくっ付いています。
様々な原因でそれらの筋肉が硬くなってしまうと、頭全体を締め付ける状態になり痛みを発症します。
特に側頭筋、前頭筋、後頸筋等の比較的大きな筋肉が緊張すると症状が重くなります。
またこの疾患の特徴としては、首、肩のこりを併発している人が圧倒的に多いということです。
ですので発症の機序としては、首肩のこりが酷くなり、次に頭の締め付け感を発症するパターンがほとんどです。
施術に関しては、硬くなっている筋肉をしっかりと緩めることが重要になります。
当院では主に鍼を使って、対象となる筋肉をしっかりと緩めます。
筋肉が緩めば症状も落ち着いてきます。
ただ、この疾患は生活環境と密接な関わりがあります。
要するに環境が原因となっていることがほとんどです。
一般的にはパソコン業務等の同じ姿勢を続けている方、または精神的なストレスが多く緊張状態を長く強いられる方等に多といえます。
ですのでしっかりと症状を改善したい場合は、生活環境の見直しが必須となります。
しかし、仕事をはじめ生活環境を変えるのは実際問題として難しいと思います。
その場合はしっかりと睡眠だけは確保する、シャワーだけで済ませずにお風呂に浸かる、症状が辛い場合は我慢せず施術を受けることが重要です。
疾患症例集について・・・
臨床経験のなかで、特に印象が強かった症例をできる限り分かりやすく掲載しています。
これをご覧になって、ご自分の症状と似ている部分があれば施術方針の参考にしてください。
尚、ご自身の抱えている症状が当院の施術で改善するのか、詳しく知りたい場合は遠慮なくご相談ください。