自律神経は「交感神経」「副交感神経」に分かれます。
なかでも「交感神経」は緊張したときに働く神経ですが、「ストレス社会」といわれる現代では「交感神経優位」の状態になっている人がほとんどだと思います。
当院のような鍼灸院にも、ストレス過多が原因で様々な症状に苦しむ方が来院されますが、「背中が痛い」「背中が張る」といった「背中の不具合を訴える」人が多いようです。
では何故、ストレスが多くなると背中の不具合を訴えるのでしょうか。
またそのような状態に陥った場合、当院ではどのようにアプローチして症状を改善していくのか。
詳しく説明していきます。
どうして交感神経が緊張すると背中に不具合がおきやすくなるのでしょうか?
まず交感神経の元になる自律神経は、全身にくまなく分布している神経です。
交感神経、副交感神経がありますが、身体の場所によって分布に差があります。
交感神経に関しては、一般的に言う背中(頸椎下部~腰上部)に多く伸びているのです。
ですので交感神経が緊張を引き起こすと、それに関連して背中の筋肉に影響が及んでしまうということになります。
実際にストレスが多い人は「背中が痛い」「背中が張る」「呼吸が浅い」等、背中の筋肉が緊張した状態を訴えます。
要するに交感神経と背中(筋肉)は互いに影響をうけているといえます。
ではここでいう「背中の筋肉」とはどこを指すのでしょうか。
あくまで私の考えですが「脊柱起立筋」だと思います。
脊柱起立筋とはどのような筋肉かと言うと、背骨(脊柱)に沿って走っている筋肉です。
「最長筋」「腸肋筋」「棘筋」という三つの筋肉を合わせた複合筋になります。
交感神経の後枝はこの脊柱起立筋まで伸びています。
ですので交感神経が過緊張を引き起こすと、その影響が脊柱起立筋に及んで結果的に脊柱起立筋が興奮して硬くなってしまいます。
以上のことから、私は交感神経を下げるカギとなる部分は「脊柱起立筋」が重要と考えています。
当院では上記で説明したように、交感神経の過緊張は背中(脊柱起立筋)に反応がでると思っています。
ですのでこのような状態になってしまった患者さんに対しては、鍼でしっかりと脊柱起立筋を緩めるようにしていきます。
脊柱起立筋をしっかりと緩めることができれば、間接的に交感神経の過緊張を緩めることができると思っています。
尚、使用する鍼ですが、患者さんの体格、体質等によって鍼の本数、長さ、太さを調節しながら、その方に合った刺激で施術していきます。
当院には「痛み」の症状で来院される方がほとんどです。
「痛み」の原因は様々で、とても複雑です。
そのなかでも「交感神経の過緊張」による「痛み」は大きなウエイトを占めて重くなっていると思っています。
そしてこの場合、「如何に交感神経のウエイトを軽くして副交感神経とのバランスを整えるか」がカギになります。
交感神経を軽くする方法はいくつかありますが、なかでも身体(筋肉)の緊張を緩めることが非常に重要です。
これは「交感神経の緊張=筋肉の緊張」と言えるからです。
筋肉をリラックスさせることによって交感神経の緊張は軽くなります。
ただし、症状が重度の場合は筋肉を緩めるだけでは難しいと個人的には思います。
この場合は自律神経を直接動かしている「脳」へのアプローチが必要になってくると思います。
基本的に脳への直接的なアプローチは「薬物」「外科的処置」しかありませんので、医療機関への通院が必要だと思います。
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