「出産後の腰痛が酷い」「出産後の腰痛がなかなか治らない」といって来院される方がいらっしゃいます。
出産後に腰痛を発症する方は70%以上とも言われます。
産後に腰痛になる原因は様々です。
このページでは産後の腰痛や、腰痛以外にも発症しやすい症状を解説していきたいと思います。
産後に腰痛を発症する原因は様々です。
代表的な原因をみてみましょう。
産後の腰痛に悩んでいる方のほとんどが、妊娠中も腰痛に悩まされている場合が多いです。
妊娠中は、単純に胎児が大きくなることによって腰に負担がかかるので腰痛を発症しやすくなります。
また妊娠すると「リラキシン」というホルモンが分泌されます。
このホルモンは靭帯を緩める作用があるので、骨盤等の関節が緩んで出産に備えます。
しかし、関節が緩む弊害として筋肉に負担がかかるので腰痛などが発症しやすくもなります。
出産時は大きくなった胎児が通過するので、骨盤、靭帯が更に広がって負担がかかります。
そして出産後は伸びてしまった靭帯の影響で、骨盤周りの筋肉が過緊張を強いられます。
その結果として骨盤周囲の筋肉が痛みを発症するようになります。
育児中は頻繁に子供を抱っこしたり、おんぶしたりするので腰に負担がかかります。
また肉体的なストレス以外にも精神的なストレスも増えるようになります。
特に産褥期(産後2か月)にしっかりと休めなかった場合は腰痛等が悪化して長引く傾向があると言われます。
その他にも様々な原因はあると思いますが、産後は肉体的にも精神的にもかなりの負担がかかりますので注意が必要です。
では産後の腰痛が発症した場合、どのような対処法があるのでしょうか。
いくつかの対処法を挙げてみます。
軽い運動やストレッチがお勧めです。
運動に関しては、ウォーキングをはじめ、骨盤底筋の運動が効果的です。
またストレッチは無理なく行ってください。
ユーチューブ等では産後の体操を紹介している番組もありますが、一生懸命やりすぎて悪化する場合もあります。
くれぐれも無理せず自分のペースで行ってください。
育児は「中腰」になる姿勢が多くなりますが、なるべく中腰は避けて生活しましょう。
なるべく膝を曲げる、椅子を使う等、工夫してください。
また睡眠時は仰向け、うつ伏せは極力さけて、横向きで抱っこ枕を使用して寝てください。
腰痛が酷い場合は、自分で対処しようとせずに専門家の施術を受けてください。
なかなか時間がとれないと思いますが、それでも腰痛を抱えて生活するよりマシです。
なるべく家族に協力してもらい、時間を作るようにしてください。
産後の腰痛は、通常6か月~1年程で良くなると言われています。
ホルモンの影響で開いてしまった骨盤や、緩んだ靭帯も数か月で自然に元に戻ります。
しかし人によっては、骨盤が元に戻っても腰痛が治らない方もいるようです。
このような方は、筋肉が過緊張を引き起こしている場合がほとんどです。
要するに骨盤、靭帯が元に戻っても、筋肉が硬くなっている状態が続いていることになります。
この状態になっている原因は様々だと思います。
ほとんどは肉体的、精神的なストレスが長期間続いている場合です。
この状態が続くと腰痛がなかなか治らないことになります。
また腰痛以外にも肩こり、背中の張り、頭痛、不眠などの自律神経の症状も発症する場合もあります。
この状態になると、自分では対処できませんので専門家の施術を受けるようにしてください。
因みに当院では、産後の腰痛に関して「鍼で関連する筋肉をしっかりと緩める」ことを行います。
産後の腰痛で悩まれている人は「骨盤周囲の筋肉か過緊張を引き越している」場合がほとんどです。
ですので過緊張を引き起こしている筋肉を鍼でしっかりと緩めれば骨盤周囲のストレスが無くなって楽になります。
また腰痛以外にも肩こり、頭痛、不眠等が酷い場合も、それに即した施術をしていきます。
個人差はもちろんありますが、鍼灸治療を定期的に行うことによって心身共に楽になりますよ。
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