腓骨筋麻痺の症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

腓骨筋麻痺の症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

腓骨筋(神経)が麻痺してしまい、下肢の運動障害・神経痛が発症した方の症例です。
腓骨筋麻痺でお困りの方は、さいたま市西区の彩玉鍼灸院にご相談ください。

右つま先に力が入らない 40代 男性

症状・・・

マラソンが趣味で、若いころから走りこんでいた。

 

三か月前にマラソンの大会に出場後、右足の下腿外側に激しい痛みを発症する。

 

病院でレントゲンを撮ると「腓骨が疲労骨折している」と診断された。

 

一か月程、右下腿にギプスを巻いて骨は綺麗に修復できた。

 

しかしその後、右つま先に力が入らず上手く動かすことが出来なくなってしまう。

 

また右下腿外側に沿ってビリビリとした痛みも感じるようになった。

 

病院で再度診察を受けると「腓骨神経麻痺」と診断される。

 

一応、病院では理学療法士による運動療法をメインに治療開始した。

 

しかし治療を続けていてもあまり改善が良くないので、自分で様々な治療を検索したところ、鍼治療が良いのではと思うようになった。

 

なのでネットで運動疾患に強い、職場から近くを検索したところ、当院のホームページを見つけて来院された。

 

 

医療面接・身体診察・・・

しびれは軽度だが、常に症状がある状態。

 

力がうまく入らなくて、動かしずらい。

 

腓骨筋を触診すると、明らかに感覚が薄い。

 

腓骨神経沿いを打鍵槌で軽く叩くと明らかな放散痛がある。

 

腓骨筋自体が硬くなっていて、萎縮している。

 

つま先立ちが上手くできない状態。

 

 

考えられる疾患名・・・

腓骨骨折で長期間「ギプス」をしていた。

 

腓骨神経沿いの明らかな感覚異常がある。

 

つま先立ちが出来ない。

 

これらを総括すると「腓骨筋(神経)麻痺」と推察される。

 

 

施術方針・経過・・・

  • 鍼治療で、腓骨筋(神経)にアプローチして腓骨筋を緩める。
  • 腓骨筋周囲の筋肉にも鍼治療を行い、筋肉を緩める。
  • 温熱療法を使って、腓骨筋の血流を改善する。
  • 鍼からは低周波のパルスを流す。
  • 施術の頻度は週に二回のペースで行う。
  • 鍼の種類に関しては、太めの中國鍼を使用する。

 

第一回・・・

うつ伏せで、うくらはぎの筋肉に鍼治療。

 

右上の側臥位で、腓骨筋、前脛骨筋に鍼治療。

 

腓骨筋に温熱療法を加える。

 

第二回・・・

前回の施術で足のしびれ感はほとんど無くなった。

 

力はまだ入らない。

 

施術は前回同様。

 

第三回・・・

しびれは全くない。

 

力は多少入るようにはなってきた。

 

施術は前回同様。

 

第四回・・・

しびれは無し。

 

触診すると感覚は多少戻っている。

 

力は徐々に戻っている感じ。

 

施術は前回同様。

 

施術の間隔を週に一回に変更する。

 

第五回・・・

しびれは無し。

 

触診すると感覚がかなり戻っている。

 

力も徐々に戻っている。

 

施術は前回同様。

 

第六回・・・

しびれは無し。

 

触診すると感覚はしっかりと戻っている感じ。

 

力もしっかりと入るようになって、つま先立ちも少しの時間ならできるようになった。

 

第七回・・・

しびれは無し。

 

感覚も元に戻っている。

 

つま先立ちも普通に出来るようになった。

 

施術は前回同様。

 

第八回・・・

しびれ、感覚も問題なし。

 

力もしっかりと入るようになった。

 

施術は前回同様。

 

 

症状がほぼ無くなったので施術を終了とした。

 

 

考察・・・

今回の症例は、典型的な「腓骨筋(神経)麻痺」だと思われます。
腓骨筋
腓骨筋(神経)麻痺とは、長期間の腓骨筋(神経)の圧迫によって腓骨神経が麻痺してしまう疾患です。

 

今回のケースの方は腓骨の疲労骨折により、長期間のギプス固定を余儀なくされて結果として腓骨神経が麻痺を引き起こしたと思われます。

 

腓骨神経が麻痺を起こすと、腓骨神経領域に明らかに感覚の麻痺が起こります。

 

また重度になってくると運動障害が出始めます。
つま先立ち
腓骨神経はつま先を背側させる動きを担っていますが、麻痺するとつま先立ちが出来なくなります。

 

病院での治療は「保存療法」「手術療法」があります。

 

基本は保存療法を行いますが、効果が無い場合は手術を検討します。

 

鍼灸治療では鍼灸院によって施術法は異なりますが、当院では主に鍼治療で腓骨筋を中心に他の関連筋にアプローチをして、腓骨神経の再生を促します。

 

使用する鍼は出来るだけ太めの鍼を使用して、鍼からは低周波のパルスを流すようにしています。

 

腓骨神経麻痺等の「麻痺」に関しては経験上、強い刺激をした方が改善率が高まると思っています。

 

しっかりと鍼治療を行えば個人差は当然ありますが、ほとんどの方が症状の緩和を認めます。

 

腓骨に限らず、麻痺を発症した場合は早めに治療(施術)を行ってください。

 

時間が経過してしまうと改善率は下がります。

 

麻痺は「痛み」「しびれ」より症状としては重い部類なります。

 

自分で対処するのは無理がありますので専門家にしっかりとかかるようにしましょう。


 

 

 

疾患症例集について・・・

臨床経験のなかで、特に印象が強かった症例をできる限り分かりやすく掲載しています。

 

これをご覧になって、ご自分の症状と似ている部分があれば施術方針の参考にしてください。

 

尚、ご自身の抱えている症状が当院の施術で改善するのか、詳しく知りたい場合は遠慮なくご相談ください。