一般的に「首、肩こり」とは、首~肩、背中にかけて筋肉が緊張したときに感じる不快な症状の総称を言います。
症状の程度は個々で差がありますが、基本は「痛い」「重い」「張る」と言った感覚を訴えます。
首、肩の症状で当院(鍼専門院)に来院される方は比較的重度の場合が多いようです。
ここでは鍼がどのように作用して、首、肩の症状を改善するのか説明していきます。
硬くなっている筋肉の深部に直接鍼を刺すことにより、筋肉の深部に溜まっている老廃物を流して筋肉の緊張を緩めます。
痛みが激しい場合は、神経が過剰興奮している状態ですが、鍼をすることによりβエンドルフィンといった物質が増えて、神経の過剰興奮を抑制することができます。
筋肉の緊張、痛みが酷い場合は、自律神経のバランスが崩れています。鍼や灸をすることにより、自律神経のバランスが整い、体の緊張が緩んで症状を改善します。
首、肩こりは鍼灸が得意な分野です。もちろん当院でも首、肩の症状で来院される方は大勢いらっしゃいます。
当院ではまず問診、身体診察でどの部分が原因であるかを探っていきます。
原因が特定出来たらポイントになる部分に鍼をしていきます。
具体的には首、肩の筋肉を中心に、その他関連する筋肉、神経領域に鍼をしていきます。
筋肉の緊張が強い場合は、鍼から低周波のパルスを流す場合もあります。
また鍼と併用して、温灸療法を加える場合もあります。
首、肩こりに関しては様々な原因が考察されますが、基本的にはほとんどの場合において首、肩、腕を支えている筋肉が過度の緊張を引き起こすことによって疲労が蓄積します。
その結果、筋肉中の血行が悪化して筋肉の過緊張が悪化します。
この状態になると筋肉の中にある神経が絞扼されて、神経過敏となり「こり」「痛み」「しびれ」といった症状を引き起こすのです。
近年の傾向として、ほとんどの方が「パソコン」「スマートフォン」を使用しています。
短時間の使用なら問題ないのですが、仕事や趣味で長時間使用する場合は問題です。
画面を長時間同じ姿勢で凝視すると、首、肩の筋肉は常に過緊張状態になり辛い症状を発症しやすくなります。
特に中高年の方は、眼精疲労を伴うので更に症状が複雑になります。
長期間、過度のストレスを抱えると自律神経の交感神経が過緊張状態になります。
交感神経が過緊張状態になると常に肩に力が入った状態になり、また無意識に口を強く噛みしめるので首の筋肉が緊張を引き起こします。
一般的に言う首、肩こりです。
首、肩、腕、背中の筋肉が過緊張を引き起こした結果、血行不良、老廃物の蓄積、炎症等を引き起こします。
首の横に位置している「胸鎖乳突筋」「斜角筋群」筋肉が過緊張を引き起こしたときに発症する疾患です。
首の横にはたくさんの神経、重要な血管が位置していますが、特に斜角筋が硬くなるとこれらの神経、血管を圧迫してしまいます。
圧迫が酷くなり「絞扼」までいくと、腕のしびれ、冷感、肩甲骨周囲の痛み、首前面~胸にかけての痛み等の症状を発症します。
近年ではパソコン業務等の長時間肘を上げている体勢で発症する方が増えています。
何からの原因で頸椎にストレスがかかると、椎体間にある軟骨や軟骨内の髄核が飛び出ることがあります。
ヘルニアを発症すると、主に腕にしびれを起こします。
肩にある「滑液包」という袋が炎症を引き起こすことによって発症します。
慢性期に入ると関節包が関節にガッチリとくっついてしまい、結果として腕が上がらなくなります。
改善には時間がかかりますが、鍼やリハビリをしっかりと行うと改善の期間が早まります。
交通事故やスポーツでの怪我で首を痛めた場合、人によってはその後に首の痛み、しびれ、頭痛等に悩まされる場合があります。
まずは原因になっている部分を探します。原因部がわかったら対象になる筋肉に鍼を中心に施術していきます。
患者様の症状の程度、体質、鍼経験の有無によって違います。比較的軽度、鍼未経験であれば細くて短い鍼で対処していきますが、筋肉の緊張が激しく、鍼経験者であればしっかりと鍼をしていきます。
比較的効果があるのは、筋肉が原因の場合です。ヘルニア、むちうち等の外傷に関してはケースバイケースです。
ストレートネックは頸椎が真っすぐなっている状態ですが、結果的に骨が真っすぐになっているだけで、原因は後頚部の筋肉の過緊張です。ですので鍼でしっかりと後頚部を緩めれば改善していきます。
当院には頑固な首、肩こりで悩まれている人がたくさん来院されます。触診すると首、肩の筋肉の硬さが凄いです。この場合は中国鍼を使用します。中国鍼で硬くなった筋肉にアプローチすると改善率は良くなります。