慢性的に首肩のこりは酷かった。
特に右の首は悪化していて、痛みがある。
三か月前から右の腕が重だるく感じる。
特に仕事中(パソコン業務)に右腕がとてもだるくなる。
病院でレントゲンを撮ったが、異常なしと診断された。
ネットで自分の症状を検索してら「胸郭出口症候群」という疾患が自分の症状にマッチしている。
更にこの疾患を調べて、鍼治療が有効であると知った。
近くの鍼灸院を検索して、当院のホームページが詳しく載っていたので来院された。
腕のだるさは仕事中に発症している。
首の痛みは慢性的である。
特に腕を上げていると症状が悪化するが、下げていと楽である。
試しに右腕をしばらく上げてもらうと数分でだるくなってくる。
右の斜角筋を触診すると、異常に筋肉が硬くなっている。
首~肩の筋肉全体的に緊張が強い。
腕を上げている状態でだるさの症状を発症しているので、胸郭出口症候群と推察する。
首の運動で腕の症状は無いので、ヘルニアは除外できる。
伏臥位で、首、肩、肩甲骨周囲の筋肉に鍼をする(鍼からは低周波のパルスを流す)。
右上の側臥位で、右胸鎖乳突筋、斜角筋、小胸筋、棘上筋、棘下筋に鍼をする(鍼からは低周波のパルスを流す)。
斜角筋に温灸をかけて筋肉の緊張を緩める。
前回の施術で首の痛みは多少楽になる(痛み指数10→8)。
施術は前回同様。
首の痛み(8→5)になる。
腕のだるさは変化なし。
施術は前回同様。
首の痛み(5→2)になる。
腕のだるさは多少楽になってきた。
施術は前回同様。
首の痛みはほぼ無くなった。
腕のだるさもだいぶ楽になっている。
施術は前回同様。
首の痛みは気にならない。
腕のだるさはほぼ気にならない程度になった。
施術は前回同様。
胸郭出口症候群という言葉はあまり聞きなれないと思います。
この疾患は、斜角筋という筋肉が過緊張を引き起こすことで発症します。
斜角筋は主に腕を上げるときに作用する筋肉ですが、斜角筋の下を腕神経叢や血管が走っています。
斜角筋が硬くなることによって腕神経叢や血管が絞扼されてしまうと、だるさ、しびれの症状を発症します。
今回のケースの方は腕のだるさがあったので、おそらく血管を圧迫したのだと思います。
血管を圧迫すると人によってはだるさ以外にも冷感を感じる場合もあります。
当院では胸郭出口症候群が疑われる場合、斜角筋を主に鍼で緩めます。
斜角筋を鍼で緩めることにより、腕神経叢、血管の絞扼を改善します。
絞扼が無くなれば、腕への不快な症状は無くなります。
疾患症例集について・・・
臨床経験のなかで、特に印象が強かった症例をできる限り分かりやすく掲載しています。
これをご覧になって、ご自分の症状と似ている部分があれば施術方針の参考にしてください。
尚、ご自身の抱えている症状が当院の施術で改善するのか、詳しく知りたい場合は遠慮なくご相談ください。