慢性疲労の症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

慢性疲労の症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

慢性疲労の症例です。
原因不明の慢性疲労でお困りの方は、埼玉県さいたま市西区の鍼灸専門院-彩玉鍼灸院をお勧めします。

慢性的な疲労に悩む 40代 女性

症状・・・

一年以上前から、体のだるさが酷い。

 

とにかく何もする気がしない、意欲がでない。

 

症状は徐々に悪化していて、最近では首、肩、背中の筋肉がものすごく張って痛む。

 

また手足の冷え、重だるさが辛い。

 

このような症状になった原因はわかっていて、子供の進学、親の介護問題でストレスがかなりある。

 

一応、病院で様々な検査はしたが「異常」はなかった。

 

心療内科を勧められてはいるが、抵抗があって行ってはいない。

 

今現在は漢方薬を服用しながら、たまにマッサージ、リラクゼーションサロンに通っている。

 

鍼灸には興味があったが、やはり抵抗があって通っていなかった。

 

しかし症状が重くなってきて何とかしなくてはと思い、思い切って鍼灸治療を受けようと決心した。

 

一応、ネットで自宅近くの鍼灸院を検索、当院のホームページを見つけて詳しく症状の説明等が載っていたので試しに来院された。

 

 

医療面接・身体診察・・・

今現在の症状を改めて確認する。

 

体が全体的にだるく、徐々に悪化している。

 

気分は落ち込んだり、イライラしたりしてムラがある。

 

睡眠は浅い、夢をよく見る。

 

仕事はしていない、家族のことで悩みが酷く、近くに相談できる人もいない。

 

首、肩、背中の張りがとても辛い。

 

手足もとても重だるく、浮腫んでいるような、冷えているような感覚もある。

 

身体診察では、頭、首、肩、背中の筋肉が異常に硬くなっている。

 

足の浮腫みが酷い。

 

脈は、緊・細・弱。

 

 

考えられる疾患名・・・

体のだるさが酷く、徐々に悪化している。

 

病院の検査では器質的な疾患は除外されている。

 

筋肉の過緊張、末端の循環障害がみられる。

 

これらを総合すると軽度の「慢性疲労性症候群」と推察される。

 

 

施術方針・経過・・・

  • 自律神経の交感神経の過緊張を下げる。
  • 筋肉の過緊張を緩める。
  • 脳の血流を改善する。
  • 施術の頻度は週に二回のペースで行う。
  • 鍼は4㎝の日本鍼を使用する。

 

第一回~第六回・・・

仰臥位で、頭、手、足、腹のツボに鍼をして自律神経、血流を改善する。

 

伏臥位で、首、肩、背中の筋肉に鍼をして、筋肉の過緊張を緩める。

 

首、背中の筋肉に、温灸マッサージを加える。

 

第七回~第十二回・・・

体のだるさは徐々に楽になっている。

 

やる気も少しづつ出るようになってきた。

 

首、肩、背中の張りも楽である。

 

手足の重だるさも徐々に楽になっている。

 

施術の内容は前回と同様に行う。

 

※症状が改善しているので、次回から週に一回の頻度で施術を行う。

 

第十三回~第十八回・・・

体のだるさはほとんど気にならない。

 

睡眠も深く眠れるようになった。

 

首、肩、背中の張りもほどんど無い。

 

手足の重だるさも気にならない。

 

施術の内容は前回の同様に行う。

 

  • 症状がほぼ改善したので、次回からは定期的な施術に切り替える。
  • 今現在は一か月に一回程度に来院している。

 

 

考察・・・

今回の症例は俗にいう「慢性疲労性症候群」だと思います。
慢性疲労性症候群
慢性疲労性症候群とは、原因不明の全身の倦怠感に襲われる機能性疾患です。

 

人間誰しも疲れが溜まれば疲労を発症しますが、慢性疲労性症候群になると疲労のレベルが別物です。

 

重度になると、ほとんど起き上がることができず寝たきりの状態になります。
慢性疲労(症状)
またこの疾患は、疲労以外にも頭痛、筋肉の痛み、思考の低下、末端の冷え、めまい、抑うつ等の症状にも悩まされることになります。

 

このような状態になってしまうと、日常生活が送れなくなってしまいます。

 

慢性疲労性症候群に関しては、正直よくわかっていない部分がほとんどです。

 

病院で検査をしても、器質的な病変は見つかりません。

 

ですので病院でもこの疾患に対しての治療法は確立されておらず、すべてにおいて「対処療法」になります。
前頭葉
ただ最近の研究で、慢性疲労性症候群の方は脳の「前頭葉」の機能が低下しているのではないかと言われています。

 

要するに「脳の血流が低下」している状態であると思われます。
交感神経優位
またこの疾患に悩む方のほどんどは「自律神経の交感神経」が優位になっていることもわかっています。

 

これらを総合すると慢性疲労性症候群を発症する方は、過度のストレスを長期間受け続ける。

 

自律神経の交感神経が過度に働いてしまう。

 

筋肉が過緊張を引き起こす。

 

脳への血流が悪くなってしまう。

 

その結果、過度の疲労を発症して、自律神経失調の症状も同時に併発してしまう。

 

このようなパターンになると思います。

 

現に当院に来院されている慢性疲労性症候群の方達は、過度のストレスを長期に抱えている場合がほとんどです。

 

ですので当院では、慢性疲労性症候群の方に対しては「脳の血流の改善」「交感神経の興奮を下げる」ことを主に施術を行います。
首の筋肉
まず脳への血流改善に対しては「首の付け根にある筋肉を緩める」ことを行います。

 

慢性疲労性症候群の方はほぼ100%首が硬くなっています。
頸動脈 椎骨動脈
首が硬くなると「頸動脈」「椎骨動脈」といった脳に血液を送っている血管が細くなっています。

 

ですので首の筋肉を鍼でしっかりと緩めていきます。

 

鍼で首の筋肉が緩めば、脳への血流も改善して脳の機能が正常化しやすくなります。

 

また背中の筋肉を鍼でしっかりと緩めれば交感神経の興奮も下げることができます。
交感神経(背中)
これは交感神経が主に背中に伸びているからです。

 

ですので交感神経が興奮すると間接的に背中の筋肉が硬くなります。

 

この場合は鍼でしっかりと背中の筋肉を緩めれば、間接的に交感神経の興奮を抑えることができるのです。

 

その他にも、頭、手、足、お腹にある関連する「ツボ」に鍼灸を行うことによって相乗的に効果を上げていきます。

 

この疾患は改善までに多少の時間はかかりますが、施術を続ければ徐々にではありますが症状が改善していきます。

 

ただし経験上、重度の慢性疲労性症候群に関しては医療機関での治療が優先されます。

 

基本は心療内科になります、薬物治療が必要な場合がほとんどです。

 

 

その他には、慢性疲労性症候群の方は「生活改善」がとても重要になります。

 

そもそも慢性疲労性症候群のほとんどは「ストレス」が原因です。

 

ですので根本的に慢性疲労性症候群を治したいのであれば、生活の見直しが必須になります。

 

 

とにかく疲労感が酷くなった場合、自分で対処しないで専門家に相談してください。

 

悪化してしまうと日常生活を送るのが難しくなってしまいます。


 

 

 

疾患症例集について・・・

臨床経験のなかで、特に印象が強かった症例をできる限り分かりやすく掲載しています。

 

これをご覧になって、ご自分の症状と似ている部分があれば施術方針の参考にしてください。

 

尚、ご自身の抱えている症状が当院の施術で改善するのか、詳しく知りたい場合は遠慮なくご相談ください。