変形性膝関節症の症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

変形性膝関節症の症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

膝の変形で痛みを発症した方の症例です。
変形性膝関節症でお困りの方は、埼玉県さいたま市西区の鍼灸専門院-彩玉鍼灸院をお勧めします。

左膝内側の痛みに苦しむ 60代女性

症状・・・

数年前から、左の膝の内側に痛みがあった。

 

痛みは徐々に悪化していき、今現在は階段を降りるときが特に痛い。

 

病院でMRIを撮って「変形性膝関節症」と診断されている。

 

痛み止め、湿布の処方、病院でのリハビリを行っている状態。

 

最近では膝をかばっているせいか、右の腰、左の太ももにも痛みがある。

 

十年前に、当院で腰の施術で鍼治療をしていたことがあったので、鍼治療で何とかならないかと相談された。

 

医療面接、身体診察・・・

左膝は内側が特に痛む。

 

特に階段を降りるときが痛い。

 

膝は完全に曲げると痛い(正座ができない)。

 

寝ている時は痛みは無い状態。

 

触診では、左膝の軽い変形が見受けられる。

 

左膝内側を触ってみても、腫れ(炎症)はあまり感じない。

 

左の大腿、右の腰は筋肉が硬くなっている。

 

考えられる疾患名・・・

痛みの性状、MRIの結果、膝の変形を考慮して。

 

左膝の変形性膝関節症と推察される。

 

施術方針、経過・・・

  • 左膝周囲の関節に鍼をして関節内循環を改善する。
  • 左の大腿の筋肉にしっかりと鍼をして筋肉の緊張を緩める。
  • 腰の筋肉に鍼をして筋肉を緩める。
  • 左膝内側に温灸器をあてて血行を改善する。
  • 施術の頻度は週に二回のペースとする。
  • 鍼は5cmの日本鍼を使用する。

 

第一回・・・

伏臥位で、腰、左太もも裏、左膝の裏、ふくらはぎに鍼治療。

 

仰臥位で、左膝の関節裂隙、関節内側部、大腿四頭筋、前脛骨筋の緊張部に鍼治療。

 

左膝内側に温灸器を充てる。

 

第二回・・・

腰は楽になっている。

 

左膝の痛みは少し楽(痛み指数10→8)。

 

施術は前回同様。

 

第三回・・・

腰、大腿はとても楽になっている。

 

左膝の痛みも徐々に楽になっている(痛み指数8→6)。

 

第四回・・・

腰、大腿はとても楽。

 

左膝も徐々に楽になっている(痛み指数6→4)。

 

第五回・・・

腰、大腿は楽。

 

左膝も楽になっている(痛み指数4→2)。

 

歩行は問題ない、階段を降りるときは多少は痛みがあるが、当初に比べるととても楽。

 

  • 痛みが楽になっているので、定期的の施術に切り替える。
  • 今現在は、一か月に一回程度の来院である。

 

考察・・・

今回の症例は、軽度の変形性膝関節症だと思います。

 

変形性膝関節症のほとんどは「加齢」が原因ですが、加齢に加えて「体重増加」「膝の使い過ぎ」なんかも原因になります。
体重増加
特に若いころから体重がある人、若いころから激しい運動で膝が摩耗している人等は、年をとるとこの疾患に苦しめられる場合があります。

 

今回のケースの方は、若いころに陸上をしていて、膝を激しく使っていたようです。

 

また仕事を退職した後に、家にいることが多かったようで、体重もかなり増えたようです。

 

この変形性膝関節症ですが、軟骨の摩耗の状態によって鍼灸治療の適応かが決まります。

 

まず軟骨の摩耗が軽度で、炎症もほとんど無い状態であれば鍼灸の適応になります。
変形性膝関節症(解剖図)
ですが軟骨の摩耗が激しく、関節包に過度の炎症を起こしている場合は鍼灸では難しくなります。

 

当たり前ですが、鍼灸治療で関節の変形は治りません。

 

あくまでも関節周囲の筋肉を緩めて、関節にかかるストレスを軽減したり、関節内に鍼灸をして関節部の炎症を抑えたりします。

 

これらを行うことにより、痛みの軽減を目指します。

 

しかしこれも私の経験上、関節部の損傷が激しく炎症も酷い場合には鍼灸をしても効果は期待できません。

 

また最終手段になりますが、あまりにも関節の損傷が酷い場合は、手術で人工関節にしたほうが良い場合もあります。

 

最近の人工関節は昔と違って高性能になっていて、何十年も不具合なく使用することができるようです。

 

まあ、ほとんどの場合は手術とはならず、保存療法になるのですが。

 

予防としては、やはり体重がある場合は体重を落とすことが先決です。

 

また運動不足の場合、大腿四頭筋をしっかりと鍛えて膝の負担を減らすことも重要になります。

 

とにかくこの疾患は、膝の関節の状態が軽度であれば鍼灸治療で効果が期待できます。

 

症状が出始めたら放置せず、なるべく重度にならないように予防や治療をすることです。


 

 

疾患症例集について・・・

臨床経験のなかで、特に印象が強かった症例をできる限り分かりやすく掲載しています。

 

これをご覧になって、ご自分の症状と似ている部分があれば施術方針の参考にしてください。

 

尚、ご自身の抱えている症状が当院の施術で改善するのか、詳しく知りたい場合は遠慮なくご相談ください。