ストレス性胃炎の症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

ストレス性胃炎の症例-埼玉県さいたま市西区|彩玉鍼灸院

ストレスが原因の胃の痛みの症例です。
ストレス性胃炎でお困りの方は、埼玉県さいたま市西区の鍼灸専門院-彩玉鍼灸院をお勧めします。

胃の痛みに苦しむ 20代女性

症状・・・

三か月程前から、胃の痛みに苦しんでいる。

 

特に食事後、就寝中に胃が痛くなったり、お腹が張ってくる。

 

病院で内視鏡の検査をしたが、胃の異常は発見されなかった。

 

診断名は「神経性胃炎」とのことで、内服薬を処方された。

 

薬を服用すると多少は楽になるが、ほとんど変化が無い。

 

最近は漢方薬局に通っていて、漢方を服用している。

 

他に何かないかとネットで検索していると、鍼灸治療が目に留まり興味がでる。

 

自宅の近くで鍼灸院を検索すると当院を見つけて、胃の症状にも有効と記載されていたので試しに来院された。

 

医療面接、身体診察・・・

胃の痛みはかなりの激痛になることもあって、就寝中でも起きてしまう。

 

食後に痛みがでるので、食事が怖くなってしまい体重も減っている状態。

 

就職したばかりで気を使うことが多く、ストレスが溜まっている。

 

性格は神経質、心配性、完璧主義の要素が強い。

 

お腹が張ってくると、吐き気が辛い(実際に嘔吐しないので余計に辛く感じる)。

 

背中の張り、こりが常にひどく、胃の調子が悪くなると悪化する。

 

触診すると、背中、首の筋肉の緊張が酷い状態。

 

脈診すると「緊脈」「数脈」である。

 

考えられる疾患名・・・

食後、就寝中の胃の痛みが病的に強い。

 

ストレスが多い生活を送っている。

 

内視鏡で胃の器質的な疾患は除外されている。

 

これらを総合すると、ストレス性の胃炎であると推察される。

 

施術方針、経過・・・

  • 交感神経の過緊張を下げることを必須とする。
  • 交感神経を下げるツボに鍼灸治療をする。
  • 胃の動きを改善するために、背中の筋肉にしっかりと鍼治療をする。
  • 温灸器を背中の筋肉にあてて、筋肉を緩める。
  • 施術の頻度は週に二回のペースとする。
  • 鍼は4cmの日本鍼を使用する。
  • 灸は「せんねん灸」を使用する。

 

第一回・・・

仰臥位で、交感神経を下げるツボ(頭、手、足、腹)に鍼治療。

 

お腹の鍼に加え、せんねん灸をすえる。

 

伏臥位で、首、肩、背中の筋肉に鍼治療。

 

温灸器を背中の筋肉にあてる。

 

第二回・・・

背中の筋肉の張りは楽になった。

 

胃の調子は変わらず。

 

施術は前回同様。

 

第三回・・・

背中の筋肉の張りは楽。

 

就寝中の胃の痛みは少し治まってきた。

 

施術は前回同様。

 

第四回・・・

背中は楽。

 

就寝中の胃の痛みはだいぶ治まってきた。

 

施術は前回同様。

 

第五回・・・

背中は楽。

 

食事後の胃の痛みはだいぶ治まってきた。

 

就寝中の胃の痛みはほとんど気にならない。

 

  • 施術の頻度を週に一回に変更した。
第六回・・・

背中は楽。

 

食後の胃の痛みもだいぶ楽になっている。

 

就寝中の胃の痛みは無く、朝まで眠れる。

 

第七回・・・

体全体の緊張が無くなっている感じがする。

 

胃の痛みが治まってきたので、食欲もでてきた。

 

施術は前回同様。

 

第八回・・・

調子は良い。

 

食欲もあって、敬遠していた「肉、天ぷら」を食べてみたが問題なかった。

 

第九回・・・

体は楽。

 

胃の痛みもほとんど気にならない。

 

体重も少し増えている。

 

  • 症状が治まったので施術を一旦終了しようと思ったが、本人の希望で二週間に一回のペースで施術を継続中。

 

考察・・・

今回の症例は、ストレスが原因の胃痛で間違いないと思います。

 

一般的には「神経性胃炎」とか「機能性ディスペプシア」と言ったりもします。
ストレス(胃痛)
まず、ほとんどの人はストレスが溜まって胃の痛みを感じた経験があると思います。

 

それだけ胃とストレスは関係が深いと言えますよね。

 

ではどうしてストレスで胃が痛くなるのか・・・原因は何かと言いますと。

 

それは「自律神経」が関係しているからです。

 

まあ、自律神経と胃痛の関係はネットで検索するとたくさん説明されているサイトがあるので調べれば容易にわかると思いますが。

 

ストレスが過度に増えると自律神経の交感神経が高まって胃酸の分泌、胃の動きが減少します。
自律神経(働き)
次に反動で副交感神経が高まって胃酸の分泌、胃の動きが高まります。

 

この状態が続くと、胃酸で自分の胃が炎症を起こして胃痛になります。

 

尚、ストレス性胃炎の場合、内視鏡で胃を直接見ても胃の粘膜が荒れている人もいれば、全く異常が見られない人もいます。

 

胃の粘膜が荒れている場合は、慢性的な胃炎だと思います。

 

次に治療に関してですが、神経性の胃炎に関しては今現在は対処療法しかありません。

 

一般的には、病院での薬物療法、市販薬、漢方、心理療法等がありますがいずれも対処療法なんです。

 

大事なことは、この疾患の一番の原因は「過度のストレス」だということです。

 

なのでストレスが軽減されないと、どんな治療や施術を行っても根本的には完治しないと思います。

 

しかし実際問題として、ストレスの原因が仕事、家庭環境の場合は生活の大幅な改善は難しいと思います。

 

 

因みに当院では、ストレス性の胃炎をどのように捉えて施術しているのかと言いますと。

 

鍼や灸を使って、自律神経のバランスを整えることを第一に考えて施術しています。
自律神経(バランス)
まず自律神経ですが、ほとんどが体表に伸びています。
自律神経(体表)
ですので、その方の症状、体質に合ったポイント(ツボ)に鍼や灸をすることによって、間接的に自律神経にアプローチしていきます。

 

そしてアプローチされた自律神経は脳内の視床下部という部分から様々なホルモンを放出します。

 

これらの作用によって、自律神経の交感神経・副交感神経のバランスが徐々に整っていきます。

 

ただし自律神経のバランスが整うにはある程度の時間が必要となります。

 

数回の施術ですべてが改善してしまうことは稀です。

 

また当然ですが、ある程度の生活環境の改善も必須になってきます。

 

尚、ストレス性胃炎の場合は、食生活にも注意が必要です。

 

症状が辛い時期は、なるべく脂っこいものは控えて消化の良い物をバランスよく食べるようにしましょう。
食(バランス)
しばらくは脂、肉を食べるのは難しいかもしれませんが、施術が上手くいって胃の調子が戻ってきたら、徐々に脂、肉も食べれるようになりますよ。


 

 

疾患症例集について・・・

臨床経験のなかで、特に印象が強かった症例をできる限り分かりやすく掲載しています。

 

これをご覧になって、ご自分の症状と似ている部分があれば施術方針の参考にしてください。

 

尚、ご自身の抱えている症状が当院の施術で改善するのか、詳しく知りたい場合は遠慮なくご相談ください。