むち打ちは時間差で症状を発症するのが厄介です |さいたま市西区|彩玉鍼灸院|

むち打ちは時間差で症状を発症するのが厄介です |さいたま市西区|彩玉鍼灸院|

むち打ちは、直後に症状を発症する場合もありますが、時間が経って症状を発症する場合が多々あります。
詳しく説明していきます。

はじめに・・・

「むち打ち」という言葉は誰しも聞いたことがあると思います。

 

わかりやすい例でいえば、「交通事故」「追突事故」でしょうか。
追突事故
車同士が衝突した場合、乗っている人が追突の衝撃で主に「首」を痛める状態のことです。

 

また車以外でも、スポーツ等で首を痛めた場合も「むち打ち」と言ったりもします。

 

要するに「むち打ち」とは、外部の急激な圧力によって首(頸椎)を損傷してしまった状態を指します。

 

尚、むち打ちの正式な名称は「頸椎捻挫」「外傷性頸部症候群」と言います。

 

 

具体的な症状は・・・

むち打ちを起こしてしまった場合、個人差がありますが様々な症状を発症します。

 

具体的には以下の症状を発症します。

  • 痛み・張り・・・
  • むち打ちの方のほとんどが訴える症状です。
    むち打ち(首の痛み)
    具体的には「首の痛み」「首の張り」「肩甲骨周囲の痛み」を訴えます。

     

    痛みは個人差がありますが、重度の場合は痛みで日常生活に多大な支障をきたします。

     

  • しびれ・・・
  • 腕のしびれを訴える場合が多いです。
    腕神経叢
    これは首を痛めることによって、首から伸びている神経が興奮・炎症を引き起こすからです。

     

    人によっては、腕以外にも「顔のしびれ」を訴える場合もあります。

     

  • 頭痛・・・
  • 緊張性頭痛
    後頭部からはじまり、頭、顔全体が締め付けられるように痛むことがあります。

     

    これは、むち打ちが原因の「緊張性頭痛」です。

     

    むち打ちの衝撃によって、頭の筋肉が過緊張を引き起こします。

     

  • 倦怠感・疲労感・・・
  • むち打ち等の強い刺激が体に起きると、人によっては自律神経の交感神経が過緊張を引き起こしてしまうことがあります。
    倦怠感
    交感神経の過緊張が続くと、症状のひとつとして「体のだるさ」「やる気の低下」等を発症します。

     

  • めまい・吐き気・耳鳴り・・・
  • むち打ちの衝撃によって自律神経のバランスが崩れる場合があります。

     

    自律神経のバランスが崩れると「バレリュー症候群」といって、自律神経の症状を発症する場合があります。
    自律神経症状
    自律神経の症状は個人によって様々ですが、主な症状として「めまい」「吐き気」「耳鳴り」「目のかすみ」等があります。

この他にも注意する疾患があります。

 

それは「脳脊髄液減少症」「脊髄の損傷」です。

 

これらの疾患は症状も重く、医療機関での治療が最優先されます。

 

 

時間差で症状が発症します・・・

時間差
むち打ちの厄介なところは「時間差で症状が出る」ということです。

 

もちろん事故直後に症状が出ることが多いのですが、人によっては事故直後はほとんど症状が無い場合があるのです。

 

この場合、症状が無いのでほとんどの方は「何もなくて良かった」と安堵するのですが、しばらく経って急に様々な症状を発症するので困惑してしまいます。

 

では何故、直後ではなく時間差で症状を発症するのでしょうか。

 

これはまだはっきりとはわかっていないのですが「アドレナリン」という物質が関係していると言われます。
アドレナリン
アドレナリンはホルモンの一種で、副腎髄質、脳、交感神経節という組織で作られます。

 

アドレナリンは緊張したとき等に大量に放出されますが、むち打ち等の過緊張時にも大量に放出されます。

 

アドレナリンは神経を麻痺させて感覚を鈍くさせる効果があるので、アドレナリンが放出されている状態では、痛み等の感覚が薄くなります。

 

ここまで説明するとわかると思いますが、要するに事故直後はアドレナリンの影響で症状がわからなくなっているのです。

 

しかし時間の経過とともにアドレナリンの放出も減ってくるので、症状が表面化してくるのです。

 

このようなことから、特に痛み、しびれに関しては時間差で症状を認識する場合があるということです。

 

尚、めまい、倦怠感、頭痛等の自律神経が関係する症状に関しては、事故直後よりも時間が経ってから発症する場合がほとんどです。

 

これは自律神経は痛みの神経と違い、遅延型の神経だからです。

 

つまり症状を自覚するまでに時間がかかるということです。

 

このようなことから、むち打ちの一般的な流れとしては、事故直後は軽く首の痛みを感じる→その後しばらくすると痛みを強く感じるようになる→人によってはその後に腕のしびれを感じる、頭痛が発症する→その後、体がだるい、めまいがする、吐き気、耳鳴り、目のかすみ等に苦しむ。

 

このようなパターンを訴える人がたくさんいるのです。

 

 

むち打ちの治療は・・・

むち打ちに対しての治療を簡単に説明してみます。

 

まずむち打ちになったしまったら、病院で検査を受けましょう。

 

病院では「MRI」の検査が一般的だと思います。

 

そこで器質的に異常があった場合は、病院での治療が最優先です。

 

器質的に問題が無い場合は、対処療法になります。

 

まず病院では、鎮痛剤、湿布薬、頸椎カラーでの固定が一般的です。

 

また理学療法も併用する場合が多いと思います。

 

病院以外では接骨院で施術を受ける方も多いと思います。

 

接骨院では、電機、マッサージ等の理学療法が主になると思います。

 

一方、鍼灸ではむち打ちに対してどのような施術があるのでしょうか。

 

これは鍼灸院によって様々です。

 

 

むち打ちに対しての当院での施術・・・

因みに当院では「筋肉の過緊張を緩める」「自律神経のバランスを整える」ことを重視して施術しています。
むち打ち(損傷筋肉)
まず「むち打ち」を発症した場合、頸部周囲の筋肉は異常な過緊張状態になります。

 

通常の筋肉の緊張は、時間の経過とともに緩んだりしますが、むち打ちの場合は筋肉の過緊張は緩むことはありません。

 

ですのでこの場合は、鍼でしっかりと関連する筋肉を緩めていきます。

 

筋肉が緩めば、「痛み」「張り」「目のかすみ」「頭痛」等の症状は治まっていきます。

 

また交感神経の緊張を鍼灸治療で下げていけば、めまい、はきけ、倦怠感等も改善していきます。

 

もちろん個人差はありますが大抵の場合は、しっかりと鍼灸治療を行っていくと症状の改善がみられます。

 

 

症状が重くなる前に治療を・・・

むち打ちの難しいところは、直後に症状があまり出ないことです。

 

出ても軽い場合が多いので「大丈夫だろ」と勝手に思ってしまうことです。

 

なので適切に治療を受けないことが多く、時間差で症状が悪化して「やばい」となるわけです。

 

ですのでむち打ちをしてしまったら症状がほとんどなくても適切な治療、施術を受けるようにしましょう。

 

早めに対処すれば、様々な症状に苦しむことが少なくなります。

 

因みに当院にむち打ちで来院されている方のほとんどは、首の痛みだけでなく、頭痛、めまい、倦怠感、しびれ、目のかすみ等を発症してしまった状態になっていることがほとんどです。

 

要するに「悪化」してしまった状態になって来院されます。

 

この状態になってしまうと、患者さん本人も辛い状態に苦しみますし、改善にも時間がかかってしまいます。

 

 

最後に・・・

私も学生の頃、運動中に首を痛めたことがあります。

 

痛めた直後は「首が少し痛い」程度でしたが、一週間ほど経つと右の腕がしびれはじめました。

 

しびれ自体はなんとも言えないような痛みで、苦労した記憶があります。

 

夜、寝ていても「ズキズキ」と疼いてしまい、かなりのストレスでした。

 

近くの鍼灸接骨院にしばらく通院して、何とか治りましたが。

 

このような経験から、首を痛めたら症状が軽くても放っておいてはいけないと思います。

 

特に「首」に関しては、重要な神経、血管が走っていますので注意が必要です。


 

 

 

 

症例ブログについて・・・

様々な疾患について、私なりの考えを書き綴っております。

 

なるべく簡素で分かりやすくお伝えできればなと思っております。

 

このサイトを見て、医療に関する一般の方への理解が深まれば幸いです。